最後のセットを終えたら、すぐに着替えて帰る。反対に、筋肉痛を防ごうとして、運動後に長いストレッチを頑張る。クールダウンは、何のために、どこまで行えばよいのでしょうか。
まず押さえたいのは、運動の強さを徐々に下げて終えることと、翌日の筋肉痛をなくすことは別だという点です。目的と効果の限界を知ったうえで、自分に合う終え方を考えてみましょう。
クールダウンの目的は、運動から日常へ段階的に戻ること
運動後は、心拍や呼吸が普段より高まっています。米国心臓協会は、クールダウンで運動の強さを徐々に下げることを勧め、ウォーキングの速度を5〜10分かけて落とす方法などを紹介しています。[1]
クールダウンを「もう一度追い込む時間」にする必要はありません。どの運動を、どれくらい行ったか、その日の体調はどうかに合わせて、終盤の過ごし方を考えます。
心臓や呼吸器などの病気がある方、運動について医師の指示がある方は、その指示を優先してください。一般的な時間の目安を、全員が同じように行う決まりとして使わないようにしましょう。
「乳酸を流せば筋肉痛が消える」とは言い切れません
軽い運動を続けるクールダウンについて、研究のレビューでは、血中の乳酸の減少が速まる場合がある一方、翌日以降の筋肉痛を明確に減らす効果は概して認められないと整理されています。[2]
健康な成人を対象とした一つの比較試験でも、運動後のクールダウンによる筋肉痛の軽減は認められませんでした。研究で行う運動や対象者には条件があるため、すべての場面を一律に決める結果ではありませんが、「やれば必ず筋肉痛を防げる」と期待しすぎないことが大切です。[3]
翌日の痛みが気になる場合は、クールダウンを長くするだけでなく、その日に行った種目・重さ・回数を担当者と振り返りましょう。
運動後の終え方は、3つに分けて考える
1.有酸素運動は、速度や負荷を少しずつ落とす

ランニングを終えるときは歩くペースへ、自転車なら軽い負荷へ、というように動きの強さを下げます。5〜10分は一つの目安ですが、時計だけを見て続けるのではなく、体調を確かめながら行ってください。[1]
筋トレ中心の日は、有酸素運動と同じ内容をそのまま追加するとは限りません。最後の種目からどう終えるか、担当者に確認しておくと、自宅で一人で運動する際にも迷いにくくなります。
2.ストレッチは、痛みのない範囲で行う

ストレッチを取り入れる場合は、反動をつけず、呼吸を続けて、痛みが出ない範囲で行います。米国心臓協会では、一つのストレッチを10〜30秒保持する方法を挙げています。[1]
「硬いから強く伸ばす」「左右を同じ深さにそろえる」と無理をしないようにしましょう。どこを伸ばすか、どの位置なら無理がないか、分からない場合は実際の動きを見てもらってください。道具を使うかどうかも、できる範囲に合わせて選びます。
3.その日の負担を、短く記録する

運動を終えたら、「何をしたか」「きつさはどうだったか」「気になる痛みはあったか」を簡単に残します。これはクールダウンの効果を測る検査ではなく、次の運動を相談するためのメモです。
例えば「スクワットは最後の2回がきつかった。膝の痛みはなし」「途中からふくらはぎが張った」など、感じたことをそのまま書きましょう。毎回同じ形式にすると、前回との違いを伝えやすくなります。
体調が悪いときは、クールダウンを続けない
胸の痛み、強い息苦しさ、めまい、冷や汗などがあるときは、通常のクールダウンで様子を見ようとせず、運動を中止して周囲へ助けを求めてください。症状が強い場合や続く場合は、救急受診を含め医療機関への相談が必要です。
また、運動後の痛みをすべて「普通の筋肉痛」と決めつけないようにしましょう。鋭い痛み、強い腫れ、日常動作が難しいほどの痛みがある場合も、無理に伸ばしたり揉んだりせず、医療機関に相談してください。
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参考資料
- [1]American Heart Association「Warm Up, Cool Down」
- [2]Van Hooren B, Peake JM(2018)「Do We Need a Cool-Down After Exercise?」
- [3]Law RYW, Herbert RD(2007)「Warm-up reduces delayed onset muscle soreness but cool-down does not: a randomised controlled trial」
参考資料・店舗情報の確認日:2026年10月24日。画像は記事用のイメージ(AI生成)で、実際の店舗を撮影したものではありません。







