筋トレ中に「腹圧を入れて」と言われても、何をすればいいか分かりにくいものです。腹圧は腹部の内側にかかる圧力のことで、強くお腹をへこませることや、息を止めることそのものではありません。初心者は圧力の強さを追う前に、呼吸を続けて動ける負荷とフォームを確認しましょう。
この記事では、筋トレでの腹圧の役割と、力を入れると息が止まる場合の調整を整理します。仕事中や歩行中の力の入れ方は、日常でお腹に力を入れ続けるべきかの記事で説明しています。
執筆:山崎 将(ワイズジム恵比寿代表・柔道整復師)|更新日:2026年10月6日
腹圧とは?「腹筋の硬さ」との違い
腹圧(腹腔内圧)は、お腹の内部の空間にかかる圧力です。呼吸や腹部の筋肉の働き、姿勢、動作などに関係します。トレーニングでは、身体を支えながら手足を動かす際の体幹の働きと合わせて説明されることがあります。
お腹の表面を触って硬いと感じても、腹圧の値や動き方の良し悪しまで分かるわけではありません。家庭で特定の数値を目指す必要はなく、「動作中に姿勢が大きく崩れないか」「呼吸が続くか」など、観察できる点から確認します。
腹圧が高いほど、いつでも安全というわけではない
腹圧と脊柱の負荷・安定性を調べた研究では、効果は姿勢や課題によって異なると報告されています。この研究は身体を再現した計算モデルによるもので、腹圧を上げれば誰でも腰痛を治せる、けがを防げると証明したものではありません(参考:Arjmand・Shirazi-Adl, 2006)。
筋トレで確認したいのは、体幹・手足・呼吸を合わせて使えることです。「お腹を固めさえすれば重くしてよい」と考えず、フォームが崩れる場合は重量や回数を見直しましょう。

初心者は息を止めずに動けることを優先する
厚生労働省の筋力トレーニングの資料は、呼吸を止めず、負荷を個人に合わせて段階的に調整することを示しています。Mayo Clinicも、持ち上げるときに吐き、下ろすときに吸うことを基本的な目安として説明しています(厚生労働省の資料/Mayo Clinicの案内)。
まずは扱いやすい軽い負荷で、息を長く止めずに反復できるかを確認してください。種目や動作で呼吸の合わせ方が分からなくなったら、いったん止めてトレーナーに相談します。息を止めないと動かせない重量を、無理に続ける必要はありません。
高重量を扱う競技場面などには、専門的な呼吸の使い方もあります。初心者が動画の息止めをそのまままねることは勧めません。血圧や心臓などについて医師から運動の指示がある方は、呼吸法も含めて個別に確認しましょう。
「腹圧を入れる」が分からないときの3つの確認
1.動く前に、肩・首・呼吸を確かめる
立つか楽に座り、普段どおりに呼吸します。肩をすくめたり、口を強く閉じたりしていないかを確認しましょう。最初から最大限に締めつけるより、息を楽に続けられる状態を把握します。
2.軽い動きで、呼吸とフォームを合わせる
扱い慣れた軽い種目で、ゆっくり動きながら呼吸が続くかを見ます。スクワットなら、まず自重など無理のない条件で行い、動きの範囲も個人に合わせます。腹部を強く締めた結果、腰を反らす・背中を丸めるなら力加減や動きを調整します。
3.崩れ始めたら、圧力より負荷を見直す
後半だけ息が止まる、反動が増える場合は、重量・回数・動く範囲のどれを調整するかトレーナーと相談します。すべてを同時に変えるより、一つずつ変えると原因を整理しやすくなります。
| 気づいたこと | 確認する点 | 調整の例 |
|---|---|---|
| 力を入れると息が止まる | 締めすぎや重すぎる負荷 | 軽くして呼吸を続けられるか見る |
| 肩や首まで強く力む | 呼吸のしづらさとフォーム | いったん休み、軽い条件で確認する |
| 回数の後半に反動が増える | 疲労と動作のコントロール | 回数を減らし、休憩を取る |
| 腰・腹部に痛みが出る | 運動を続けてよい状態か | 中止し、続く症状は医療機関へ相談する |

腹筋種目でも「硬くする」だけに集中しない
腹筋の運動では、脚の動きや腰の位置も確認します。例えばレッグレイズで腰が反る場合は、腹圧をさらに強くするだけで解決しようとせず、脚を動かす範囲や負荷を調整しましょう。詳しくはレッグレイズのやり方と腰が反るときの調整をご覧ください。
毎回「息が止まった場面」「フォームが崩れた回数」などをメモすると、次のトレーニングで相談しやすくなります。重量だけで評価しないために、初心者向けトレーニング記録の5項目と記入例も参考にしてください。
中止して相談したいサイン
めまい、胸の痛み、強い息苦しさ、いつもと違う痛みが出たら運動を中止します。急な強い症状は速やかに救急対応を求め、繰り返す症状や運動への不安がある場合は医療機関へ相談してください(参考:厚生労働省の安全に関する情報)。
治療中や手術後、妊娠中・産後などで運動に制限がある場合は、その指示を優先します。トレーニングの一般的な説明だけで、自分に合う呼吸法や負荷を決めないでください。
よくある質問
Q.腹圧と腹筋に力を入れることは同じですか?
関連しますが同じ言葉ではありません。腹圧は腹部の内部の圧力です。表面が硬いという感覚だけで判断せず、呼吸と動作を合わせて確認しましょう。
Q.筋トレ中は息を止めたほうがいいですか?
初心者は息を止めずに動けることを優先します。息止めが必要になる重量なら、負荷や回数を調整し、指導者に呼吸の合わせ方を確認してください。
Q.腹圧を高めれば腰痛は治りますか?
腹圧の練習だけで腰痛が治るとは言えません。痛みの原因はさまざまです。運動で痛みが出る場合は中止し、続く症状は医療機関へ相談しましょう。
Q.力の入れ方が分からなくても筋トレを始められますか?
まず軽い負荷で、動作と呼吸を一緒に確認する方法があります。圧力の強さを自己判断で追うより、トレーナーに動きを見てもらい、できる条件から進めましょう。
恵比寿で、自分に合う運動の進め方を相談する
「腹圧を入れてと言われても分からない」「力むと呼吸が止まる」という方は、姿勢・動き・扱う負荷を一緒に確認しましょう。今の身体に合わせた進め方をご提案します。
ワイズジム恵比寿は、恵比寿駅から徒歩7分の完全個室パーソナルジムです。姿勢や身体の動きを確認し、一人ひとりに合わせた「整えてから鍛える」トレーニングをご提案します。
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